人はどのような理由で買うモノを選択しているのか?

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「やっぱり」というあいまいな理由

人はどのような理由で買うモノを選択しているのでしょうか?

多くの人は、品質や効能よく吟味して、より良いモノを選択していると思うはずです。

しかし、本当にそうでしょうか?

たとえばあなたが、お気に入りのお茶(130円)を買いに行ったとします。

まったく知らないブランドのお茶が、100円で売られていたとしたらどうしますか…?

あなたは、迷わずお気に入りのお茶を買いますか?

では、お気に入りのお茶がそのコンビニになかった場合はどうでしょう?

わざわざ別のコンビニまで行ってそのお茶を買いますか?

「わざわざ別のコンビニまで行くほどでもないな」「やっぱり100円のお茶でもいいかな」

と、多くの人は思うのではないでしょうか?

つまり、日常生活でひとつひとつの商品の中身をいちいち吟味して買ってはいないのです。

「このお茶も安いけど、やっぱりいつものにしよう」「いつものがいいけど、やっぱり安いのでいいかな」

そんな、無意識の本能的欲求でモノを買っていたりするわけです。

この「やっぱり」というあいまいな理由で、モノを買ったり買わなかったりする人が、全国レベルで何百万人といるのです。

売り手は「無意識の本能的欲求」を無視はできないはずです。

モノを購入するとき、人は何を考えているか

ランチタイムを例に考えてみましょう。

あなたが訪れたお店で以下の3つのランチセットがあったとします。

A:焼肉定食  1,200円
B:焼き魚定食 1,000円
C:ナポリタン  900円

この3つのメニューからひとつを選ぶとき、人は短時間でこんなことを考えています。

「焼肉定食は美味しそうだけど、昨日も肉を食べたしな…」「焼き魚定食も美味しそうだけど、ちょっと高いかな…」「給料日前で、お金ないし…」

といろいろ考えたすえ、ナポリタンを選んだりしているわけです。

これは、コンビニで飲み物を買う時も同じです。

「飲み物といえばお茶だな」「…そういえば、なんか最近外食ばかりだな…」「酒量も多いし、胸やけもするな…」

そういうときに、ふと『胃で働く乳酸菌!毎日の健康維持のために』という文字が目に入る。

すると、思わずお茶の隣にある飲むヨーグルトに手が伸びる…。

そうやって何気なく手にした飲むヨーグルトが美味しかったならば、このブランドに対してプラスの評価がつきます。

そして、場合によってはそのブランドの愛飲者となるのです。

モノを購入するとき、人が考えていることの正体は『記憶の検索』です。

あらゆるモノに対する、今までのプラス評価を頭の中で積極的に探し出しているのです。

例えば、人にあげるためのお茶を買う時の行動を考えてみましょう。

以下のうちどのお茶を購入するでしょうか?

人にあげるためのお茶という条件が入ったことで選択が変わります。

お茶でケチったと思われたくないという無意識の本能的な欲求が働くからです。

実際安価である「セブンイレブンのお茶」は選択肢から外れます。

そして、本能的に洗練されたイメージの「生茶」を選択することになります。

なぜ「お~いお茶」を選ばなかったかというと、「生茶」の方が高級なイメージがあるからです。

それは、パッケージの印象や過去のCMの記憶などを無意識に判断してのことでしょう。

これこそがブランディングの賜物です。

さまざまな条件を考慮に入れたうえで、
より多くの人の記憶検索の一番最初に上がるブランドになることが重要なのです。

条件が変われば、選択が変わることは言うまでもありません。

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