インサイトは、顧客の行動や思惑の背景にある”本能的欲求”のことを指します。
今回は、そのインサイトのシンプルな見つけ方を解説します。
考える順番について
たとえば、DMをご家庭に送っているものの、なかなか売上が伸びない”通信教育教材”で考えてみます。
母親はどのような不満があってその教材を買ってくれないのでしょうか?
「費用が高いから…」でしょうか?
それとも「モノであふれて収納できない…」からでしょうか?
これらはあくまで”自覚している不満”です。
それでは、下記の4つのステップで”無自覚な不満”を探り当ててみましょう。
❶お気に入りのこと(関連性のあるもので考える)
❷お気に入りの理由(どういう意味があるのかを考える)
❸無自覚な不満(嫌なこと、足りていないこと)
❹アイデアにつなげる(無自覚な不満を解決する価値を考える)

❶お気に入りのこと
通信教育に関連性のあるものは”教育”や”子供の成長”などでしょう。
それでは、これらの分野における母親のお気に入りのことはどんなことでしょうか?
普段の何気ない生活から母親のお気に入りを探ると、”夫がアウトドアで子どもと楽しそうに遊んでいるのを見ること”だったりするのではないでしょうか。
❷お気に入りの理由
それでは、なぜそれが母親のお気に入りなのでしょうか?
それは”子どもが伸び伸び育っているように感じて、生んでよかったと”という意味が感じられるからです。
❸無自覚な不満
お気に入りをふまえて、無自覚な不満を考えてみると、”ちまちました日々に、ちまちました教材が送られてくるなんてまっぴら”という無自覚な不満が見い出せるのです。
❹アイデアにつなげる
それでは、この無自覚な不満を解決する価値とは何なのでしょうか?
例えば”ダイナミックな体験を与えて、子どものやる気を引き出す”ということになるかもしれません。
ビジネスでの活用事例
”無自覚な不満”を捉えて成功したビジネスでの活用事例を見ていきましょう。
自社では気づいていない価値を理解する

お菓子の”キットカット”では「パキッと折ると心が軽くなる」という価値に着目して、高校生が抱える「受験」という悩みを解決する”受験応援キャンペーン”を実施して大成功しました。
未充足の欲求から足りないものを見出す

吉野家の”超特盛”という、米はほどほどで具はたっぷりというメニューがあります。
”炭水化物はほどほどでありながら、具材を食べたあとに米を含めた丼で〆たい”というちょい飲み客の未充足の欲求を満たしました。