コンシューマーとカスタマー
経営学者のピーター・ドラッカー氏は企業のミッションは「顧客の創造」であると言っています。
単純に顧客と言えど、2つの種類の顧客に分けることができます。
ひとつは、まだ自社の商品やサービスを買ったことがない人(コンシューマー)です。
もうひとつは、1回以上、皆さんの商品やサービスを買ったことがある人(カスタマー)です。
ドラッカー氏が言うところの「顧客の創造」とはカスタマーのことを言っています。
つまり、リピーターとファンを増やすことが企業にとってもっとも重要であるということです。
購買頻度と購買時期で考える
コンシューマーに対しては、自社ブランドの価値や他社との違いを、ゼロから伝えていかなければなりません。
一方で、カスタマーに対しては、そのようなマーケティングの努力は少なくて済みます。
だからこそ、コンシューマーとカスタマーに対して、一律に同じ”マーケティングコミュニケーション※”を行うのは非効率的なのです。
※マーケティングコミュニケーションとは:
商品やサービスなどを知ってもらう、購買してもらうなどの目的で顧客とコミュニケーションしていく活動全般を指します。
そこで、マーケティングコミュニケーションをどのように行っていけばいいかを考えるにあたって、顧客をコンシューマーとカスタマーだけでなく、4つのタイプに分けて考えてみるとわかりやすくなるでしょう。
指標となるのは、「購買頻度」と「購買時期」です。
縦軸の「購買頻度」は、上に行けば行くほど「よく買う顧客」、下に行けば行くほど「買わない顧客」となります。
横軸の「購買時期」は、右に行けば行くほど「最近買った顧客」、左に行けば行くほど「昔かった顧客」となります。

1.難しい顧客
この顧客はどれだけ頑張ってアプロ―チをしても、なかなか成果につながりません。
起業や新規事業を立ち上げたときには、顧客が自社ブランドについて知っているわけもなく、この”難しい顧客”を開拓する必要があるという意味で難易度は格段に高くなります。
すでにカスタマーを獲得している企業は、この”難しい顧客”ばかりを狙いに行っていないか、冷静に見直してみる必要があるでしょう。
2.ありがたい顧客
この種類の顧客は「最近買ってくれていて、しかもよく買ってくれる人」のことで、”優良顧客あるいはロイヤルカスタマー(忠誠心が高い顧客)”と言えるでしょう。
安定した商売をする会社や人は、このVIPをとても大切にしています。
3.ご無沙汰な顧客
「昔はよく買ってくれていたけど、最近はあまり買ってくれない人」は、もう一度掘り起こす必要があります。
自社ブランドの新しい”価値”を提供して、遠のいてしまった顧客に再び買ってもらえるように思い出してもらう必要があります。
4.将来有望な顧客
「最近買ったけれど、まだリピートしていない人」は、自社の商品を買ったことを忘れないうちにサンキューレターなどを出して、再来店を促す必要があります。
マーケティングコミュニケーションの選択
上述の”4つのタイプの顧客”に対して、どのような”マーケティングコミュニケーション”を選択していくべきかがとても重要になってきます。
このコミュニケーション戦術をどれだけ数多く制作し、仕掛けられるかで、成果が大きく変わってきます。
マーケティングコミュニケーションの種類については以下の図を参照してください。
